タイトル | : 上代日本列島に於けるアイヌ語の分布 |
記事No | : 2103 |
投稿日 | : 2012/07/25(Wed) 20:09 |
投稿者 | : 大三元 |
『萬葉集と風土記に見られる不思議な言葉と上代日本列島に於けるアイヌ語の分布』 Alexander VOVIN (ハワイ大学マーノア校東洋言語文学部教授)を読んだ。
http://www.nichibun.ac.jp/graphicversion/dbase/forum/pdf/fn215.pdf
厳選した抜粋をメモしておく。私の進んでいる方向がとんでもなくはなさそうな・・・元気を貰った。以下抜粋:
結論 この論文ではアイヌ語が昔、東北のみならず、関東・中部と西北九州にも分布していた事を示す色々な証拠を挙げた。東北から九州までの分布であるから、当然次のような疑問が生まれるだろう。なぜアイヌ語の名残は関西と中国地方には見られないのだろうか。先ず、アイヌ語らしい地名は関西にも存在すると思うが、この限られた論文中では討論できない。第二に、関西と中国地方は東北・関東・中部と西北九州と比較すると、より長く大和の支配下にあった。従って、関西と中国地方におけるアイヌ語が周囲の地方より早く消えてしまったのは不思議でない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (終わりに、みたいなコラムから)
一点目は、奈良時代以前の上代日本におけるアイヌ語の分布は通常考えられている範囲をはるかに超えた広い地域に渡っていたと思われる事です。この点から、アイヌ人は、おそらく日本列島の原住民であったにちがいないと考えられます。そして二点目は、アイヌ語が日本語の影響を受けた事は勿論ですが、アイヌ語からの日本語への影響も認められるべきだという事です。
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