巳年に因んで思いつくよしなしごとなど・・・ ------------------------------------------------------- アイヌ語でヘビのことを色々に呼びますが一つ tokkoni とも云います。似た音の語として 母=totto、 木=ni があります。つまり ヘビ(tokkoni)≒母(totto)+木(ni) となります。 ------------------------------------------------------- スサノヲがヤマタノオロチを斬った剣を「天蠅研剣(あまの・はは・きりの・つるぎ)」という。古語拾遺では「天十握剣、其名、天羽々斬・・・古語【大蛇】 謂之【羽々】」)とする。すなわち日本古語でも「母」と「蛇(ハハ)」は同音となる。
なお「蠅」は「ハヘ」であるがこれが「ハハ」と読んで良いのは「サケ、サカ(酒)」「タケ、タカ(高)」「アメ、アマ(雨)」という類例に依る。(岩波日本書紀上P127頭注)
「蠅(ハhe)」と「葉江(ハye)」は厳密には音が違うが「葉江」の裔に「蠅いろね、蠅いろど」が居るので、「葉江」さんにも「蛇性(?)」を見てみるのもアリかもしれない。 ------------------------------------------------------- 話変わって:「伯耆風土記(逸文)」に「伯耆国号」に就いて書いてあります。すなわち:
手摩乳・足摩乳が娘、稲田姫、八頭の蛇が呑もうとするので、山中に入った。 その時、母が来るのが遅れたので、姫の曰く『母来々々』(ははきませ、母来ませ)。それで『母来国』と名付けた。後に改めて『伯耆国』とした。云々
この話も「母」「ハハ」「蛇」の連関が背景にありそうだ。 ------------------------------------------------------- 話変わって神武紀に母木邑(オモノキ村)という地名が出てきます。
「ある人が大樹に隠れて難を逃れた。それでその樹を指して『恩母如』(その恩、母のごとし)と言う。時の人、それに因んでその地を『母木邑』と言う。今、『飫悶廼奇』(オモノキ)と云うのは訛である。」(日本書紀、神武紀)
地名の「オモノキ」は訛り(変化)である、というならその原点はなんだったのでしょう。「母木」は「ハハキ」だったのではないでしょうか。その語は更に遡ればアイヌ語 tottoni の和訳だったのではないでしょうか。
tottoni の音(トトニ)と「トトリ、トットリ、鳥取」の音が近い。鳥取県以外の西日本では三重県員弁郡東員町、京都府京丹後市弥栄町、兵庫(大鳴門橋の本土側たもと)、大阪府阪南市和泉鳥取、富山県射水市、に「鳥取」地名がある。
参考: http://www.dai3gen.net/omonoki.htm
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