タイトル | : Re: 語源 |
記事No | : 2116 |
投稿日 | : 2013/12/28(Sat) 16:33 |
投稿者 | : 大三元 |
単語の起源(語源)と言語の起源(系統)は良く区別して欲しい。 日本語(言語)の系統(親類縁者)は不明だが、単語「パソコン」の起源なら話ができよう。英単語(熟語、語群)が日本語に取り入れられて省略形に変転したものだ。このように日本語に入ったものは「借用語」と云われる。ラヂオ、スパゲッティ、シャンソン、ウォッカ、ハイム、アロハ、トマト、ジャンボ、、、、如何に多数の借用語が使われるようになろうと日本語(言語)の大綱(仕組み)は変わらない。
借用するときに面白い(?)のは原語の発音通りではなく日本語の音韻体系に合わせて借用されること。昭和初期までは「ヂ」と「ジ」は区別されていたから radio は「ラヂオ」と採取された。その後「ヂ」「ジ」を区別しなくなったので日本語内部で「ラヂオ」から「ラジオ」に変わった(英語内で radio が razio になったのではない)。
このことだけ考えても、ある日本語単語がどこか外国の単語と似ている、というのは気がつくのも結構だし、ひょっとしてそれが語源か、と思うのも「きっかけ」としては結構だろう。そこから研究を進めて説得力をつけねばならない。例えば類例があるのか。類例ではないが他にも似た単語があるのか。それらの似た単語はどのようにしていつ頃その外国から日本に伝わったのだろう、とか。
借用語は多くの場合、こちらになかった事物が入ってくるときに事物と共に入ってくる。しかし、一方どうも気まぐれのように思える。Television は「テレビ」と借用されたが Telephone は(テレホンともいうが)「電話」という「日本語(漢語風日本語)」が造語された。Telescope も テレスコープと借用されることもあるが「望遠鏡」が普通だろう。つまり「類例」のあることが必須条件ではないものの、提示出来れば説得力が高まる、提示できねば、そして他に根拠が上げられなければ単なる「語呂合わせ」であろう。
「似てる」語が借用語である、という主張は誤ったとしても、日本語(言語)の起源が何々である、というよりは遥かに罪が軽い。
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