ワニの流れ

orig: 2002/08/06
rev1: 2012/12/25 略した空欄へ追記

記紀にしばしば「和邇の祖」という注記のある人物があります。また、因幡の白兎で論じたようにワニは沖の神であり、どうやらそれを反映しているようで、ワニの祖やその周辺の人物名にオキ、ヲキ、ヲチ、が頻出するようです。

海神からオキナガタラシ姫まで概観してみましょう。

検討対象備考
豊玉姫海神ウガヤフキアエズ姫、出産時にワニになる
山幸・ホホデミニニギウガヤフキアエズワニで海神宮と往/復
ウガヤフキアエズ山幸・ホホデミ1神武・ホホデミ叔母を娶る
2綏靖・ヌナカハ耳神武・ホホデミ安寧・タマデミ叔母を娶る
3安寧・タマデミ綏靖石(オキソ)命ほか
5孝昭4懿徳6孝安・大倭帯日子国押人兄・天押帯日子はワニの祖
5后・ヨソタラシ姫兄がオキツヨソ天押帯日子孝安の兄・ワニの祖
津待根神天狭霧神津山岬多良斯神タラシ@出雲系譜。上段と同じことか?
ヒコクニオケツ
ワニの祖
祖父が天押帯日子姉妹にオケツ姫とヲケツ姫:共に日子坐に嫁ぐ新撰姓氏録
ヲケツ姫兄がヒコクニオケツ山城之大筒木真若王「祁」をケ、と呼んでるが「キ」も可能
山城之大筒木真若王ヲケツ姫迦邇米雷王(カニメ イカヅチ)真若王の配偶者は丹波から
迦邇米雷王山代之大筒木真若王長宿禰王長の母は伊理泥王の女・丹波能阿治佐波毘売
長宿禰王迦邇米雷王オキナガタラシ姫

・ニニギの兄、天照国照彦火明命は尾張連等の遠祖である。(書記一書#7)
・オキツヨソも尾張連の遠祖とある(孝安紀)
・されば、オキツヨソは火明命の後裔。
・ワニが尾張連からヨソタラシ姫により分岐したのか。

・ニニギの子に、海幸(ホスセリ)、山幸(彦ホホデミ)、他がある。


先代旧事本紀の八重事代主(0代として)の系統には

8代:阿田賀田須命和迩君等祖
9代:大田々禰古命
という記述がある。この「阿田」が海幸(ホスセリ命)の後裔とされる「吾田君小橋」のアタであろうか。古事記では「火照命(海幸)隼人阿多君の祖、という。


関係リンク
ウガヤフキアエズとは2.綏靖のこと?
タラシの初出:出雲系譜と天皇系譜の符合@5〜6代

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