シ・マムタ再考 |
orig: 2002/02/16
rev1: 2003/11/22
寺田寅彦が語呂合わせとしながら提示した、四万十川<シ・マムタ、について、こんなことが見つかった。知里真志保著「アイヌ語地名小辞典」に 「mam (感)愛撫の声。 〜-ta まぁ・かわい!」というのがあった。
先に「マムト」なんて辞書にない、と書いたが、「マムタ」があった。だから、ここで補筆しておく。但し、その語意は、わぁい、とか、すっげぇ、とか、うわぉ!という部類の感嘆詞だ、ということは注意しておきたい。つまり、感嘆詞が地名になるのか、という疑問で、実例を知らない。もしあるとしても、よほど特殊なことであろう、ということを指摘しておきたい。 更に辞書から mamta の語を見つけたので書いておく。(2003/11/22) 「バチラー辞典」:Mamta, マムタ, 愛スル詞,綺麗ナル,善キ. adj. A term of endearment used principally when speaking to children .Pretty. Lovely. Charming. 「久保寺逸彦辞典」:(Interi)愛撫感嘆する語 上記の通りバチラーさんによればmamtaは「Adj.」すなわち形容詞として掲げているが、知里真志保さんも久保寺さんも感嘆詞としている。 知里真志保さんによる、バチラーさんのアイヌ語辞書への猛烈な批判、例えば「いっぱんの信用とはあべこべに、この辞書くらい、欠陥の多い辞書を私はみたことがない。欠陥が多いというよりは、欠陥で出来ている、と云った方が真相に近いくらい(だ。)」等々を読むと、バチラー辞典に頼るわけには行かない。 |