伊那・伊奈・いな・否? 伊那・伊奈・いな・否?
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1.長野県下伊那郡阿智村にある阿智神社の掲示に「駒場町の阿布知神社」も、 ここと同様に阿智族の守護神である、と書いてあります。「ア・フチ」が原形な のかもしれない。「我らの・(老女)女神」と理解することもできる(アイヌ語)。

そう言う訳で、長野県下伊那郡/飯田市辺りの地名をアイヌ語で考えてみると。。

2.清内路(村、川の名、セイナイジ)も「セイ・ナイ・ル」で「貝・川/沢・路」 と解けまして、果たして、「貝沢」が隣の飯田市にあります。(貝沢から清内路村の 境まで約8Km)

3.飯田市の水晶山を「スィ・スオプ」=「穴・箱」と読むと、同山麓にある「箱川」 と言う地名と同意〜類似の意味になりそうです。

4.阿智村に「日の入山」という山、その山麓に「日の入」と言う地名があります。 隣の下条村には「入登山神社」があります。(距離約6Km)この神社名も「イリ・ ヌプリ・山・神社」と理解することで(ヌプリ=山)、「入り山」と言う山名を冠し た名前であることが理解できます。(つまり、現代語の「入山(にゅうざん)」とか 「登山(とざん)」ではなく昔「イリ・ヌプリ」と言っていたのを、「入り山」と翻 訳したらしく見えます。)

「入野」と言う地名もあり(入り登山神社から約2Km)、下条村・阿智村の地域は 「イリ」と呼ばれていたかの如くに窺えます。

5.では、「入り山」の前に付いている「日の」は何処から来たのか。「入り」と来 たから、これはお日様のことだ、と連想に根拠を求めても良いのかも知れませんが、 同じく下条村にある「粒良脇」と言う地名に注目しました。「チュプ・ラ(ン)」、 陽が降りる、に通ずるからです。「脇」が付いているので、それの付かない「粒良」 と言う地名もある(あった)のではないか、と思いますが、見つけて居りません。 (各地の「ツブラ(ノ)」に類似した地名が同様に説明できると良いのですが、これ からです。)

6.阿智村に「夜鳥山」があり、その麓に「智里」があります。「チリ」は「鳥」の 意味なので、これもアイヌ系の地名ではないのか、とチェックしております。

7.「浪合村」の西の境から2Km足らずの所に「鯉子山」がありますが、アイヌ語 で「波」のことを「コィ」と言いますので、山中の「波浪」とは、不思議ではありま すが、「浪合村」の「浪」も「鯉」も同義に取れそうです。

8.「昼神」は「蛭子」にでも関連付いていたのでしたでしょうか。ヤマトタケルの 蒜(ヒルと読み、にんにくのこと)で白鹿を退治したことに命名の起源を求めている ようですが、「ピリカ・カムイ」なら「良い神」の意味で「熊」の事も指すそうです。

と言うわけで、阿智神社の掲示にある「(祭神)高皇産霊尊、児天八意思兼命、その 児天表春命・・・太古越後より信濃にかけて蕃居する出雲系諏訪族に対抗する天孫系 氏族の先兵として・・・・」とある「出雲系諏訪族」がアイヌ系だったのか、或いは 少なくともアイヌ系言語を使っていた人達が「出雲系諏訪族」と共存していたか、更 に古くからの先住民だったか、などと想いを馳せております。


唐突でしょうが、阿智神社の周辺の地名が山形県西置賜郡小国町周辺と共通していそうなお話です。
長野県下伊那郡阿智町・周辺  山形県西置賜郡小国町・周辺  
夜鳥山         夜蚊鳥屋山(よがとや・やま)
横川 (岳、峠、字、川)横川 (別名・滝川)
極楽峠         極楽峠・極楽山

このような地名セットが8km*8km程の範囲で共通していたので、少し範囲を広げて見て みました。

長野県下伊那郡阿智町・周辺山形県西置賜郡小国町・周辺
水晶山 (suy-suop 穴・箱)大穴山 (穴=suy)
清内路村・川      玉川 (玉= tamasay)
片貝(貝=sey)(内:nay=川・沢)
市の沢         市野沢
黒川          黒沢
大平峠(別名・木曽峠)・大平大平峠
奥石沢川     大石沢(川)
市ノ瀬橋(飯田市)市野々 (飯豊町)
飯田市 (イイダ市)飯豊町 (イイデ町)
高鳥屋山 (飯田市・清内路境)高戸屋山 (飯豊町)
千本立(やま)+西峰山千本峰+西俣の峰

こんな具合なのですが、偶然で片付けるには、チョット良くマッチングが取れすぎて いるように思え、両地域の間にどんな歴史的関連があったのか、興味を引かれます。 惜しむらくは、「ア、アチ、アキ、アケチ」に類する地名が山形のほうには見つか らない事でした。


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