稲荷・考 |
稲荷とかいて「イナリ」と読むのは常識として、「トウカ」と読む地名があることを知りました。[2001/12/19] これについて後段に書き足します。
まだまだではありますが、最近気が付いたことをメモしておきます。それは、
アイヌ語 | 日本語 | 備考 |
uk | 取る・受け取る・拾う・採取する | 単数形 |
uyna | 取る・受け取る・拾う・採取する | 複数形 |
u-ka ta ari | 重ねる | . |
u-ka ta anu | 重ねる | . |
u-ka-o | 積み上げる | u=互いの ka=上 |
というアイヌ語があります。
つまり、受け取るという意味のアイヌ語(<縄文語?)に uk と uyna があり、トヨウケとイナリ(<ウィナリ?)の接点があるやに見えます。
丹後風土記・残欠の伽佐郡の条に出てきた「笠と書いてウケとも読む」という不思議な記述に関しても、u-ka--- を通せば「カサなる」という概念と「ウケ」と言う音が通じそうです。今まで「笠」という文字に拘っていたのですが「重なる」方の「カサ」かも知れない。
こんなことを考えています。
「ウケ、ウカ」に就いて記紀などから資料を集めたページがあります。
つまり、「イナリ」は「稲成り」である、とする語源説話。
稲荷と書いて「タウカ」「トウカ」と読む地名がいくつもあることを知りました。多少のダブりはあるかもしれないけれど36地名見つかりました。稲荷=トウカ、リスト
なんのことはない、「トヨウケ」とか「トヨウカ」が「トウカ」に訛ったのではないでしょうか? そして、「トウ」「カ」、にそれぞれ「稲」と「荷」を宛てた,と考えるのでしょうか。
或いは、トヨウケが toy or uk (畑で・受け取る)に対して to uk が湖沼で・受け取る、という対比を見るのがよいのでしょうか。
訓読み:イナ・ニ。
音読み:トウ・カ。
トウカはトヨウケ・トヨウカからの訛であり
受けるの複数(繰り返し)がウイナであり
(「リ」が不明)・・・
こんなあたりに収斂してこないでしょうか。