巳年に因んで

orig: 2013/01/05

巳年に因んで思いつくよしなしごとなど・・・

アイヌ語でヘビのことを色々に呼びますが一つ tokkoni とも云います。似た音の語として 母=totto、 木=ni があります。つまり 
 ヘビ(tokkoni)≒母(totto)+木(ni) となります。

スサノヲがヤマタノオロチを斬った剣を「天蠅研剣(あまの・はは・きりの・つるぎ)」という。古語拾遺では「天十握剣、其名、天羽々斬・・・古語【大蛇】 謂之【羽々】」)とする。すなわち日本古語でも「母」と「蛇(ハハ)」は同音となる。

なお「蠅」は「ハヘ」であるがこれが「ハハ」と読んで良いのは「サケ、サカ(酒)」「タケ、タカ(高)」「アメ、アマ(雨)」という類例に依る。(岩波日本書紀上P127頭注)

「蠅(ハhe)」と「葉江(ハye)」は厳密には音が違うが「葉江」の裔に「蠅いろね、蠅いろど」が居るので、「葉江」さんにも「蛇性(?)」を見てみるのもアリかもしれない。


話変わって:「伯耆風土記(逸文)」に「伯耆国号」に就いて書いてあります。すなわち:

手摩乳・足摩乳が娘、稲田姫、八頭の蛇が呑もうとするので、山中に入った。 その時、母が来るのが遅れたので、姫の曰く『母来々々』(ははきませ、母来ませ)。それで『母来国』と名付けた。後に改めて『伯耆国』とした。云々

この話も「母」「ハハ」「蛇」の連関が背景にありそうだ。


話変わって神武紀に母木邑(オモノキ村)という地名が出てきます。

「ある人が大樹に隠れて難を逃れた。それでその樹を指して『恩母如』(その恩、母のごとし)と言う。時の人、それに因んでその地を『母木邑』と言う。今、『飫悶廼奇』(オモノキ)と云うのは訛である。」(日本書紀、神武紀)

地名の「オモノキ」は訛り(変化)である、というならその原点はなんだったのでしょう。「母木」は「ハハキ」だったのではないでしょうか。その語は更に遡ればアイヌ語 tottoni の和訳だったのではないでしょうか。

tottoni の音(トトニ)と「トトリ、トットリ、鳥取」の音が近い。鳥取県以外の西日本では三重県員弁郡東員町、京都府京丹後市弥栄町、兵庫(大鳴門橋の本土側たもと)、大阪府阪南市和泉鳥取、富山県射水市、に「鳥取」地名がある。

参考: おものき


まだ全然煮えていないのですが『出雲国風土記』に出てくる能城大神(能義神社)の「ノギ」こそ蛇である、ということが論証できないかなぁ、と思っております。この神様の特徴、属性など皆目不明で(神社では天の穂日を祀っているそうですが関連が判りません)思いつき段階から抜け出せません。

強いて云うなら出雲国風土記には4柱の大神が出てくる:
佐太大神、熊野大神、能城大神、所造天下大神(大国主)
大国主以外は動物???
 佐太:猿、
 熊野:熊(狐?ミケツ)、
 能城:蛇
三種の動物を配下に・・・大国主は桃太郎、、、ぎゃ! 初夢は白昼夢でした。


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