orig: 95/06/08
rev1: 97/07/10 言い回し修正
大きめな川は「ペツ」、「ベツ」、小さめな川は「ナイ」と言います。大きい川・小さい川には特に厳格な区分方法はなさそうです。
登別(ノボリベツ)、稚内(ワッカナイ)などはそのようなアイヌ語の地名です。
さて、これらの「ナイ」「ベツ」地名が多く見つかり、且つ、それらの地名がアイヌ語起源であろうと確実視されるのは、南限が宮城県北部、秋田・山形県の県境あたりと考えられています。アイヌ語地名が本州以南にもあるか(地名の序言)参照。
更に、金田一さんは、「白河の関を南に越すに至ってナイ・ベツもみえなくなってしまう」とまでされているそうです。(上記地名の序言参照)ところが、私が調べてみると何と関東にも幾つも見つかり(現在140程リストした)、能登半島(約30見つけた)にも、南九州にも幾つもあるのです。(他の地域、四国中国近畿中部、などは殆ど未調査です。)
幾つあっても、それらが日本語(和語)起源であるかも知れなく、アイヌ語起源であると言えるには、まだまだステップが必要ですが、ナイ地名が無いわけでは無い、ということで初期資料として掲げるものです。
先住民が付けた地名は、移住や時の流れに対して結構強靭に対抗して残存して行くそうですので、昔、日本列島全体にアイヌが居て、河川に付けた名前が、後の移住民に伝わって居るのではなかろうか、との仮説への荒っぽいベースになるのではないか、と興味津々で居ります。(これと、日本語の起源がアイヌ語か、と言うことは別問題です。これだけでは、借用関係に過ぎないとしておくのが安全でしょう。念のため。)
関東地方で見つけた「ナイ」と読みうる語の付く地名をリストします。重複しているのは、それだけの回数(箇所)があった、と言うことです。文字コード順でソートしてあります。これで全部、との保証はありません。
阿加内、伊保内、引内、榎内、岡ノ内、岡之内、沖の内、下ノ内、 下古内、下内、下内川、我里内、外ノ内、外城内、角内、 岸内、宮の内、宮内、宮内、宮野内、玉郷内、近内、金井、 栗木内、原内、源内、古城内、古瀬内、古内、古内、古内、 古布内、古布内、戸の内、五斗内、五味内、向ノ内、向ノ内、高田内、 高内、高内、高内、細内、細内、鷺内、作の内、桜内、三内、山ノ内、 山内、寺内、宿内、宿内、所野内、小内、小苗、庄内古川 上古内、上甲内、上内川、城の内、城の内、尻内町、神の内、神子内、 水戸内、正儀内、清水内、清水内、折ノ内、川曽内、川内、前ノ内、 前法内、大谷内、大内、大内、大内、大内事、大宝内、滝之内、 巽内、竹の内、竹の内、竹内、竹之内、茶内、中の内、中ノ内、 中ノ内、中内、中内、中内川、中之内、塚内、堤内、堤内、 田河内、都内、道内、内ノ龍、内川、内淀、馬場内、馬内、 白河内、八河内、蛭内、兵道内、平田内、米野井、法長内、北の内、 北ノ内、堀の内、堀の内、堀の内、堀ノ内、堀ノ内、堀ノ内、堀ノ内、 堀ノ内、堀内、堀之内、堀之内、万所内、無呂内、明の内、面野内、 木の内、木津内、木津内、木内、籾内、柳内、六人内、和田内、檜内、