カツラギの意味について |
コンピュータなりワープロなりに、「カツラギ」と打ち込むと「葛城、桂木、葛木」、などが出てきます。なんと言っても奈良県御所市の葛城山、金剛山一帯が有名ですが、「カツラギ」という語の意味、語の周辺に面白いことがあります。
・天若彦の動向を探りに来た雉が | 桂の木にとまる | 記紀 |
・彦火火出見が海神を訪れる時に | 桂の木に寄って(登って)待つ | 記紀 |
・月読命が豊葦原中国の保食神を訪ねる時に | 桂の木に寄って待つ(山城風土記逸文) | 山城風土記桂里 |
上国から下国へ来て、桂の木に寄って居る、共通点がある | ||
葛城にある一言主神社の地は | 「神降(かみたち)」と伝えられ、ここでも、「カツラ」と「降下」の概念がつながっている。 | 同神社発行のパンフレット |
つまり、古典に「桂の木」のテーマが出てくると、それは上国から下国へ降下してくる場面なのです。(最後の例は古典ではありませんが。。。)
新田八幡宮 | 鎌倉鶴岡八幡宮 | 備考 |
蘭桂:ランカツラ | 段葛:ダンカヅラ | 参道の名称 |
降来橋。 | 「太鼓橋」、形もさることながら「来降橋」の意もあるか |
ran | = 降りる |
ranke | = 降ろす(ran+他動詞化語尾ke) |
ranko | = 桂 |
ranko-ni | = 桂の木 |
ko-nimu | = (立ち木に)に昇る |
どうでしょう、降下、降臨などのモチーフに桂の木が絡んでくるのは、ランケ/ランコという縄文語(その後裔がアイヌ語ではなかろうか、と小生は思っている)が背景にあるのではないでしょうか???