カツラギの意味について
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rev3: 99/05/19 播磨風土記他追記

コンピュータなりワープロなりに、「カツラギ」と打ち込むと「葛城、桂木、葛木」、などが出てきます。なんと言っても奈良県御所市の葛城山、金剛山一帯が有名ですが、「カツラギ」という語の意味、語の周辺に面白いことがあります。

・天若彦の動向を探りに来た雉がの木にとまる記紀
・彦火火出見が海神を訪れる時にの木に寄って(登って)待つ記紀
・月読命が豊葦原中国の保食神を訪ねる時にの木に寄って待つ(山城風土記逸文)山城風土記桂里
上国から下国へ来て、桂の木に寄って居る、共通点がある
葛城にある一言主神社の地は「神降(かみたち)」と伝えられ、ここでも、「カツラ」と「降下」の概念がつながっている。同神社発行のパンフレット

つまり、古典に「桂の木」のテーマが出てくると、それは上国から下国へ降下してくる場面なのです。(最後の例は古典ではありませんが。。。)


上記を意識した上で、鹿児島県川内市にある「新田八幡宮」の「蘭桂(らん・かつら)」、鎌倉鶴岡八幡宮の「段葛(だん・かつら)」を観察してみますと、新田には「降来橋」があり、「降下」のモチーフが窺える。鎌倉の方は「太鼓橋」になっているのだが、「来降橋」が原点だったりはしないだろうか、との共通点が指摘できそうです。勿論「らん」と「だん」は発音の揺れ、或は、表記の揺れの範囲として良いでしょう。

新田八幡宮鎌倉鶴岡八幡宮備考
蘭桂:ランカツラ段葛:ダンカヅラ参道の名称
降来橋。「太鼓橋」、形もさることながら「来降橋」の意もあるか

さて、アイヌ語です。(^_^)
ran= 降りる
ranke= 降ろす(ran+他動詞化語尾ke)
ranko= 桂
ranko-ni= 桂の木
ko-nimu= (立ち木に)に昇る

どうでしょう、降下、降臨などのモチーフに桂の木が絡んでくるのは、ランケ/ランコという縄文語(その後裔がアイヌ語ではなかろうか、と小生は思っている)が背景にあるのではないでしょうか???


また、播磨風土記と尾張風土記(逸文)にも「カツラ」が「落ちる」場所が重要な・神聖な場所である、との説話があります。
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