参考書を読み、『三国史記』を読んでいると文字が異なっているものにしばしば出会う。 『古事記』『日本書紀』などでも種々の写本があってその間で文字が異なることがあり、どの文字が正しそうか、という研究が進んでおり、岩波版でも校異の注記が掲げられている。 『三国史記』に関してこのような研究は進んでいるのであろうか。ネットで、三国史記+校訂、とか、三国史記+校異、で検索してみたが引っかからない。 このページには、私が読書していて気が付いた文字違いを集積しておこうと思う。 [2004/07/11]井上秀雄(翻訳)(東洋文庫→平凡社)には校異記事がありそうなので入手中。
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六興出版・金思Y訳 [ ]付きは巻37 カッコなしは巻35 その他は特記 | 異字 | 出典 | |
133海曲(一作西)*波且縣 | 波旦 | 板橋#38、から異本存在を推定 | |
126縁(一作椽)武縣*伊火兮縣 | 緑 | 板橋#2、から異本存在を推定 | |
68 鎮瑞縣 *十谷城縣 | 古谷郡 | 塚本所引宮崎1907 | |
68 鎮瑞縣 *十谷城縣 | 鎮湍 | 塚本p106 | |
[71五谷郡(一云于次呑忽)] | 一云弓火、又于次呑忽 | 塚本所引宮崎1907 | |
[71五谷郡(一云于次呑忽)] | 兮次云忽 | 塚本所引新村1916 | |
巻34單密縣本武冬彌知一云曷多彌知 | 一云冬彌知 | 塚本P94 文字鏡に無し。画像で表示。 | |
上に「塚本」と記すのは、塚本勲著『高句麗・新羅・百済語の数詞と日本語』(『日本人と日本文化の形成』埴原和郎編(朝倉書店1993初版))である。 | |||
99 狼川郡 *峇川郡 [106峇川郡(一云也尸買)] | 狼=峇であろうが、板橋#57では、この字を「狂」とか「狸」として論じているので、そう書いた本もあるのであろう。如何にも誤写の起こりそうなケースだ。 |