三國史記巻第三十四を表形式にして勉強しやすくした。早速第一印象としてこれからのテーマになろうことを書いておく。
- 塚本勲著『高句麗・新羅・百済語の数詞と日本語』(『日本人と日本文化の形成』埴原和郎編・朝倉書店 所収)の追試をしてみようと思っている。
- 次のように
S4 | 化昌縣 | 本知乃彌知縣 |
S18 | 單密縣 | 本武冬彌知(一云曷多彌知) |
S95 | 西畿停 | 本豆良彌知停 | に見られる「彌知」という語が面白そうだ。和語「ミチ」(道)との関連が出てくるか。
- 「兮」という文字が高句麗地名の特徴と言えるか、しからば巻34に出てくる旧地名(一応新羅地名と理解されていると理解していいか)にも「兮」が出てくる。旧地名は必ずしも新羅語ではないかも知れない
- 次のデータ
S112 | 咸安郡 | 法興王 以大兵 滅阿尸良國(一云阿那加耶) 以其地為郡 | の「阿那加耶」と「アダカヤ」との関連
- またから「タギシの浜」との関連が伺えるか
- ミホ地名は「密」「推」がいずれも mir と読まれ「三」を意味するようで、高句麗語と同じに見える、これが意味するところも考えたい。それと共に「三保」「美浦」などと書く和語側の「ミホ」地名との関連も考えて行きたい。
- 「珍」の読み
S128 | 高霊郡 | 本大加耶國 自始祖伊珍阿鼓王(一云内珍朱智)。至道設智王。凡十六世。五百二十年。眞興王侵滅之。以其地為大加耶郡。 | から「伊珍阿鼓」を「イザナギ」に見立てている論説があるが、私はゆっくりと「珍」の読みを調べてみたいと思っている。
- 巻34に限らないが、『三国史記』地名と『三国志』地名の接点が見つからないか、というのもこのコーナーの大きなテーマだ。特に巻34に云う、新羅が周辺の小国を征伐して郡県に統合して来た記事を、この観点からも注目しようと思っている。
さて、どんなことになりますやら・・・
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