天の羽羽矢
天日矛=天稚彦=饒速日、か。

orig: 96/05
rev1: 97/07/11 formatと言い回し
rev2: 98/06/19 大国主=天国主は論理不整合の為削除
rev3: 2000/03/02 饒速日=天日矛の補強


日本書紀に「天の羽羽矢(あまのははや)」の持ち主として、神代紀下では天稚彦、 神武紀に饒速日、が出てきます。また、神武天皇も天の羽羽矢を持ってました。

「天羽羽矢」を持っていた天稚彦=饒速日も「天羽羽矢」を持っていた
となるか、そうだとすると
天稚彦の嫁さんである下照姫=三炊屋姫は饒速日の嫁さんである
となるか、そうだとすると
下照姫の兄であるアヂスキタカ彦=長髄彦三炊屋姫の兄である

なんて、代数めいた試みが出来ます。

天稚彦と饒速日が同一人物か、に関しては、上記の様に天羽羽矢を持っていたと言う共通点の他に、更に、珍しく両者の死亡記事が遺っていて,これは異例なことです。(饒速日に関しては旧事本紀・巻3と5)それも両者に、速飄(ツムジ風)がメッセンジャーで登場する、また、日数は僅かに異なるものの、葬儀日程は天稚彦の方が8日8夜、饒速日の方が7日7夜、と記録されている、という共通点があります。


仮に、上述のように天稚彦と饒速日が同一人物だとすると、
(夫)  天日矛 = 天稚彦 = 饒速日
(妻)  下照姫 = 下照姫 = 三炊屋姫
(妻の兄)アヂスキ= アヂスキ ? 長髓彦 

なんて、まとめになって来ます。まぁ、名前が同じなら、同一人物か、と云うのも単純に過ぎて、あまり感心しませんが、三炊屋(みかしきや)姫の名前の音、mik-asi-kiya、に入っているアイヌ語単語群、 mike=「照る」、 kasi=「上」、kiyay=「光」などは、「下照姫」の名前と通じるものが観測され(上下の逆はありますが)、背後に何かありそうに思われます。なお、この「下照姫命」は「高照姫命」とも呼ばれていたとする説があり、kasi=「上」でも構わないようでもあります。参照・カヤナルミのカヤナルミ神社の項
追記:2000/03/02

天日矛 と 饒速日の間の共通点がもう一つあります。それは持って来た神宝です。(数量は特記しない限り各1です。)
旧事本紀巻3古事記・応神記垂仁紀細註垂仁紀本文
饒速日天日矛天日槍天日槍
十種八種八種七種
瀛津鏡奥津鏡日鏡日鏡
辺津鏡辺津鏡胆狭浅太刀
八握剣出石刀子出石小刀
生玉玉津寶(珠二貫)葉細珠羽太玉
死反玉
足玉足高珠足高玉
道反玉鵜鹿々赤石珠鵜鹿々赤石玉
蛇比禮振浪比禮
蜂比禮切浪比禮
品物比禮振風比禮熊神籬熊神籬
切風比禮
出石槍出石桙

このように、饒速日の 鏡 と 玉 は天日矛に関する3つの伝承すべてに共通、刀剣が2つと共通、比禮が1つと共通しています。天日矛=饒速日 が大いにありそうだと思われる由縁です。


時代が降って推古天皇の名前も「豊御食炊屋姫」(とよ・みけかしきや)があり、ナガスネヒコの妹の名前と共通要素があるのが不思議と言えば不思議です。


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