・・・頂いたメールから・・・その5

orig: 99/10/08


ひきつづき多数のメールを頂いております。ありがとう御座います。 99/04/07から99/10/08までに頂いたメールから、幾つか抜き出してご紹介します。お名前は匿しました。
私のコメントは、頂いたメールへの御返事とは異なる場合があります。このページをまとめている今(99/10/08)編集したり書いたりしているものがあります。
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K.H.様から:実はこの週末に広島県芸北町の一兵山家山周辺で自然観察会を行います。そこでこの山について調査していたところ、貴方のページを見つけたというわけです。

和語とアイヌ語(縄文語?)との説興味深く拝見させていただきました。この件については先日、地元の古老に由来を聞いてみたのですが、わからないとのことでした。おりをみてもう少し調査してみるつもりです。

[広島県の地名をご覧頂いてのメールでした。]御関心をお示し下さり感謝しております。なにかお判りになりましたら、是非御教授下さい。

なお、アイヌ語で、ウペペ・サンケ(雪解け水を・出す)という山名があることが判りまして、この線もあるかな、などと思ってます。土地の方にお尋ねになる場合の御参考までに。。。

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O.T.様より:先日、宮城に帰省した折、保呂羽を通過し、その名称が大和言葉的でないので気になってました。たいへん、参考になりました。次回帰省した折には、保呂羽山に登ってみたいと思います。
[「景行紀の蝦夷」をご覧になってのメールかと思います。]

「保呂」(ホロ)という音を聞く(見る)とアイヌ語の poro (大きい)を直感しますね。ダムで有名な岐阜県の御母衣(ミホロ)なんかも縄文語起源ではないかと思ってます。

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Y.I.様より:アイヌ語の由来と言われる現在の日本の地名に興味があります。
  1. 静岡県を地域をスルガと呼びましたが、アイヌ語で天国という意味だとある人がおっしゃったのをききました。本当でしょうか?
  2. 今年8月、富山県の黒部ダムに行って来ました。その帰りのバスの中の案内放送でクロベはアイヌ語だと説明されました。本当でしょうか、そして、その意味は?
  3. 同じように栃木県の那須のチャウス岳のチャウスもアイヌ語だとききました。本当ですか?
ご意見いただければ幸いに存じます
  1. (1)スルガですかぁ。。。 アイヌ語の「天」は kanto とか nis とか言いますが、「天国」というパラダイスの概念は無いように思われます。「天」には5乃至6層が考えられているそうで、
    • 最高の天
    • 雲間の高い天
    • 星居の天
    • 下の天
    • 霧の天 の順番になっているようです。
    何れも、スルガ、という音につながり そうにありません。。。「霧」に就いての参考。
  2. クロベ:これはもしかすると、クンネベツ(意味は「黒い川」)の前半が翻訳されて「黒」、後半は「ベツ」がそのまま使われて、「黒ベツ」となったのかも知れませんね。周囲の地名にも幾つかアイヌ語起源らしいものがあり実は注目はしております。例えば、宇奈月、これは、「灰(の)山端」、のような意味になります。火山灰の地形なのでしょうか。
  3. 茶臼(山、岳)は全国的に多い山名ですね。私も、これは、chas-us (城砦のある)ではないか、と疑っております。
ま、いずれにせよ、東北以南の地名をアイヌ語で解釈するというのは、いまだに少数派ですので、結論でもありませんし、定説でもありません。しかし、日本語で意味の無い、なさない、地名を他の言語で考えてみるのは必要なことだと想います。

但し、ヒョコッと一つだけ孤立しているようだと説得力に欠けますので、周囲の地名の傾向にも目を配るようにしています。

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オオタ・ミチコ様より:葛木さんは月読命の別名ではないかと考えています。関連を教えてください。
メールアドレスが違っているようで御返事が出来ません。ここで御返事しますね。私も、その考えはあり得るとは思いますものの、桂木考で書いた以上のものを持ち合わせません。「桂」と「降下」が関係しそうなこと、「月読命」は山城国に降下してきて「桂の木」のもたれかかる、という話です。
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nae 様より:「mauko pirka」と書いてある木彫りのお土産をもらいました。どういう意味か気になるので、もし、解るようでしたら教えて下さい。よろしくお願いします。

読ませて頂いたページは『う〜〜ン』言葉って難しい。って実感しましたが、おもしろいかも....。と、新たな発見がありました。

mauko pirka ですが、アイヌ語をカタカナとかローマ字で表記するルール(正綴り法)が確定していないので、これでも間違いとは言い切れませんが、私の勉強している辞書などでは、mawko pirika とwを使います。それはそうとして、

maw には幾つか異なる意味があります。。。 風、ハマナス、
mawko これの、「風」の意味からの派生語、乃至は、複合語で、直訳は 「風・それが」という意味。

pirka は日本語でも借用(輸入)されているピリカ、つまり、美しい、良い、などの意味ですね。(知床旅情の「岩陰によれば、ピリカが笑う・・・」 美人のことですね。)

ここまでで、直訳は「風・それが・良い」あたりになります。

これに、萱野茂さんのアイヌ語辞書では「運がいい、ついている」という訳語を与えています。まぁ、漢字圏ならさしづめ「幸運」とか「多福」とでもいう所でしょうか(^_^)。

なお、maw (風)に関しては、私はいろんな古い話を根拠にして「志摩」の「マ」が si-maw (大・風)にあたるのではないか、と論じております。「伊勢・志摩の語源」をよろしかったらご覧ください。

えぇ、言葉、っておもしろいですよおおおおお。。(^_^)では。

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引き続きメールをお待ちしてますね。(^_^)


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