・・・頂いたメールから・・・その6

orig: 2000/09/15-30


ひきつづき多数のメールを頂いております。ありがとう御座います。 99/10/09から2000/03/31までに頂いたメールから、幾つか抜き出してご紹介します。お名前は匿しました。
私のコメントは、頂いたメールへの御返事とは異なる場合があります。このページをまとめている今(2000/9/15-30)編集したり書いたりしているものがあります。
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アイヌ文化のホームページ、楽しく、興味深く、拝見いたしました。とある情報誌で、『北=ムスカ』 とする表記がありましたが、残念ながら出典が明示されておらず、出版社に問合せても(発行が古く)判明しませんでした。図書館等で、アイヌ語辞典の類をいくつかひもといてもみましたが、東、西、南はあっても“北”はみつかりませんでした。 アイヌ語は、方言ごとに語彙がちがうとか、方位(東西南北)に関する概念がもともと存在しないなど、断片的な情報は得ましたが、『北=ムスカ』 に関する真偽といいますか、詳細に関してはまったく答えが出ず、途方にくれています。

この疑問に対する回答、ないし、参考文献などの示唆がございましたら、ご案内いただきたく、突然のお便りにて恐縮ですが、何卒お力添えくださいますよう、お願い申し上げます。

知里高央の書いた「アイヌ語絵入り辞典」(蝸牛社 ISBN4-87661-235-8 C1039 P1600E)の日本語対訳アイヌ語(五十音順)の中に次のようにありました。

北   matkunaw (沙)

即ち、沙流の方言では上記のように言うようです。萱野茂辞書によると

北風  matnaw-rera

があります。rera が風ですから、matnaw が「北」の意味のようです。mat が女性の意味ですので、naw の意味が知りたくなります。

萱野辞書には、nawke-p 鈎(かぎ):木の枝、顔面神経麻痺を治すときに作って使う、 とあり、また、nawkep-say-ne 竜神のつめ とあります。これは、鈎を並べたような爪、から来ているそうです。

さすれば、北風は 女の爪の風、、、、かぁちゃんに引掻かれるように痛い風、のことでしょうか、、、、

知里高央の言う、matkunaw を解析してみると
mat (女) kunaw (福寿草/萱野辞書) ・・・・・これでは意味が分かりま せん
mat (女) ku (食う)  naw (鈎) ・・・・・これも良くわかりません ねぇ。

ま、所詮、おかきになっておられるように、東西南北という捉え方をしてなかっ たようですから、「北」を翻訳するのに無理があるのかもしれませんね。 ムスカ、ってのが マツク(ナウ)の間違い、訛り、変化、地域差、、、、なん かでしょうか、、、、

突然のぶしつけな質問にもかかわらず、さっそくのご返信をいただき、心より感謝いたしております。それも、詳細な分析、勉強になりました。 参考にさせていただきつつ、ムスカにたどり着くまで、さらに調べてみたいと思います。 どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
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ところで「さねさし」は相模の枕詞だそうで、アイヌ語だそうですが本当ですか? また話が変わりますが。万葉では紀の国の枕詞は「あさもよし」で意味不明ですが(略)アイヌ語で「あさ」で何かあるでしょうか?万葉をにわか勉強中です・・・
「さねさし」に就いては:
san esasi なんかどうかしら。san :山から濱へ出る、後ろから前へ出る、<sa-ne 前になる、または、 esasi: 例としては、江差、ですね、意味は、岬、山が海岸まで来ているところ

三浦半島を指したものでしょうか、それとも、国境が違うかもしれないけど(昔はどうだったか)伊豆半島? 地形的には伊豆半島東岸は相模とつながりますよね。

上は何となくアタリっぽいけど、下はシャレです。。。。

アサモヨシ: asam moy os 底・渦巻き・後ろで・・・・・・・ 紀伊の海岸では潮の引きが海底で渦巻いて、帰ってこようとしても後ろへ(沖の方へ)引きずり戻される、なんてことは、あるんかな???
「アサモヨシ・紀」まで入れて考えてみますと:
asam moy os ek-i
底の・渦巻きが・後ろから着いてくる・所

万葉集、面白く勉強されるには、私の万葉集の戯訓(自由自在な漢字表記)を御参考に。。。(^_^) 

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質問いたします。> とある件でアイヌのの数詞を知りたいのです。1,2,3・・・・ と1番、2番、・・・ を9まで教えて下さい。
数詞、結構まとめて書いたものがありますので下記をお答えとさせてください。

アイヌ語の数詞

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私は安比川の由来について調べています。(語源は何でしょう?)
「安比」は APE(火)じゃないかと思ってます。それには多少理由がありまして、軽井沢、という地名と「火」が近いことが幾つか観察されているからです。(参考:カガナベテの歌から「ウスイ」と「火」そして「軽井沢」を考えています。)

そして、二戸郡安代町に「安比川」が流れ「軽井沢」があります。有名な長野県の軽井沢と碓氷地名(これも「火・炎」の意味)など幾つか例があります。安比高原の東8kmには「火箱山」までありますよ、(^^)。 安比岳は火山だったのではないかしら、安比温泉、草の湯温泉が見えますねぇ。

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引き続きメールをお待ちしてますね。(^_^)


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頂いたメールから・その7
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