出雲国造同祖遷狛一奴命の「遷狛」とは? |
「シコ」の付いた名前に就いてまとめてみたものを挙げましたので、「シコ・醜・色」をご参照下さい。
まず、なんでか、ってとこからですが、この「遷狛一奴命」という不思議な名前(ウツシコマヒトヌ、でしょう)を考えていたら、語呂合わせで「ウツシコヲ、ウツシコメ」兄妹の名前と似ていることに気が付きました。語呂合わせ、って良くバカにしますが、それをヒントに調べてみることが出来るので、大事なことです。(^_^)
さて、先代旧事本紀でこの兄妹の周辺をあたってみます。ウツシコヲは、ニギハヤヒを0世、ウマシマヂを一世、と数えて、五世になります。父母が読み切れないのですが、彼らとその兄弟姉妹の記述を下記に整理しておきます。
【欝色雄命】 | 第8代孝元天皇期に大臣となり大神を斎する。活目長砂彦の妹芹田真稚姫を妻とし一児を生む。武建大尼命。(活目長砂彦、生駒の長髄彦、、ウーーム) |
【妹欝謎命】 | 第8代考元天皇后となり、三皇子を生む。即ち、大彦命、第9代開化天皇(わかやまとねこひこおほひひ)、倭迹迹姫。 |
【弟大綜杵命】 | 第8代考元天皇の時、大禰、第9代開化天皇の時、大臣。高屋阿波良姫を妻として伊香色雄命と伊香色謎命をもうける。伊香色謎命は考元皇妃となり、彦太忍信命を生む。伊香色謎命は後に、開化皇后となり、第10代崇神天皇を生む。 |
【弟大峯大尼命】 | 開化天皇の時、大尼となる。 |
「美尼布」の「布」字の使用例を調べておきます。(#は国造リストの整理番号です。) 「比奈羅布(#43)」「伏布(#139)」「大布日意彌(#34)」「上毛布直(#141)」
この最後の「上毛布」を「上毛野」のことと考えてよければ、これまで私は「布」字を「フ」とばかり読んできたのですが、「ヌ」と読む可能性も視野に入れねばならなさそうです。即ち、「美尼布命」は「ミネのみこと」と読み得ます。
また、「出雲」との関連ですが、この4兄弟姉妹の祖父に「出雲色大臣」があり、つじつまが合いそうです。
「真人」=天武期(西暦684)に制定された八色の姓のトップ。また、聖徳太子の冠位12階のトップ、大徳冠、は「まひときみ」と読まれたという(世界大百科辞典)。さすれば、「間人」も「はしひと」と読むが「まひと」とも読める。しかし、これ以上、即ち欽明朝よりも溯れそうになく、確信に至りません。
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