orig: 97/08/27
rev1: 97/08/.. ツチ考追加
南九州 | 出雲1 | 出雲2 | 出雲3 | ほか | |
大 山 祇 神 | 大山祇神 鹿屋野姫(野椎神) |
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コノハナサクヤ姫 ニニギの尊 | 手名椎 足名椎 | 木花知流姫 八島士奴美神 | 神大市姫 スサノヲ | 天之狭土神 国之狭土神 |
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海幸 | 山幸 豊玉姫←海神 | クシナダ姫 スサノヲ | (出雲1の列へ) | 大年神 伊怒姫←神活須毘神 | 天之狭霧神 国之狭霧神 |
(隼人) | ウガヤ・・・ 玉依姫←海神 | 八島士奴美神 木花知流姫 | . | 大国御魂神、韓神、 曾富里神、白日神、聖神 | 天之闇戸神 国之闇戸神 |
. | 神武天皇ほか | 5代後に大国主 | . | . | 大戸惑子神 大戸惑女神 |
. | 参照:欠史8代 | 参照:出雲系譜 | . | 参照:神prefix | 参照:狭霧考 |
上記に出てくる「ツチ」と言う音に就いて調べてたことを記して置きます。
まず、日本書紀の最初の神様の一群に「国狭槌尊」が出てきます。異説ではこの神様の名前を「国狭立尊」とも書いています。ここから、「ツチ」と「タチ」が相通じている、乃至は訛りとして変化し得ると言えそうです。 これを逆用すると「国常立尊」なんかも「くにのとこツチ」も有り得たか、との想像を可能にします。
日本書紀は次いで、木の祖先である「句句廼馳」(ククノチ)の誕生を伝え、次に草の祖先として「草野姫」(かやのひめ)別名「野槌」が生まれたとします。これが古事記では上表に記した「鹿屋野姫またの名は野椎神」と表記されます。古事記ではククノチとノヅチの中間に大山津見神の誕生を伝えます。
イザナギ・イザナミの最後の子は火の神「軻遇突智」(カグツチ)です。
イザナミの死因となったカグツチを殺すと磐裂神、根裂神、「磐筒男命」「磐筒女命」が生まれ、また、甕速日神が生まれます。甕速日神からは「武甕槌神」が生まれます。
イザナギが沐浴をした時に生まれる神々の中に「表筒男命、中筒男命、底筒男命」という 住吉三神があります。別伝(日本書紀第十の一書)では、「磐土命」「底土命」という表記がされており、「ツツ」と「ツチ」が相通じている、或いは訛り得ると考えてよい根拠になります。
これらの話の途中に「雷」と書いて「イカツチ」と読ませているのも「ツチ」コレクションに入れておきましょう。これには後段の岩戸隠れの説話のところにも「山雷者(ヤマイカツチ)」と「野槌者(ノツチ)」とコンビで書かれていることからも「ツチ」の類に考えて良い根拠となりましょう。
有名なスサノヲと櫛名田姫の話に就いて、古事記が「手名椎」と書いているのを、日本書紀が「手摩乳」としているので、「チチ」と「ツチ」も相通じる、訛り得る、と理解してよさそうです。
葦原中国攻略の段では、武甕槌神と共に降る「経津主神」を「磐筒男・磐筒女」の子、と紹介しています。
また、倭文神(シトリガミ)の建葉槌命、という人も登場します。
ニニギ降臨の段に「頭槌剣」(カブツチのツルギ)というのが出てきます。環頭太刀が高麗出自らしいのに対して、カブツチ(神武紀ではクブツツ(イ))は日本独自のものらしい。
ニニギは又「塩土老翁」と出会う。その子、山幸は「塩筒老翁」と出会う。
後は神武紀に、神武天皇が高皇産霊尊を顕斎する時に「厳香来雷」「厳山雷」「厳野椎」などの名前が出てくる。また、上述した「頭椎ぃ」が「石椎ぃ」と並列に記されている。 「土蜘蛛」なんてのもあるが、これは違うんだろう。なぜ、違うと思うかといえば、「ツチ」が語頭に来ていること位しか思い浮かばないが。。。
神武時代を去ると「ツチ」音を持つ名前が急に見当たらなくなる。
垂仁紀に「伊都都比古」が出てくる。この名前に「ツツ」の音があるにはあるが、「伊都の彦」と捉えるべきなんだろう。。。
景行12年9月紀に「土折猪折」(ツチオリヰオリ)、景行17年6月紀に「津頬」(ツツラ)、これらも違うだろう。同20年12月紀に「横立」(ヨコタチ{ツチ?})「乳近稲置」(チヂカのイナキ)
神功紀に「筒男」三兄弟再度登場するも神代の名前。「頭槌」も再度登場。
さて、ここから何が引出せるか。。。
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