卑弥呼の読み
本当にヒミコと読むのか
・・補追2・・

卑弥呼は「ヒミホ?」の関連事項です。
たけさんの「ひみほ論」へのリンクです。なかなか力強い! 99/12/01

orig : 2000/03/01


卑弥呼は「ヒミホ」と読むのではないか、との考えへの参考として、K音とH音の混乱の例を集めています。
出典(岩波大系本の頁)
日本書紀(p94)岐神p97に「布那斗能加微」との原注。つまり「フナト」
日本書紀(p558)補注岐神来名戸が原形。つまり「クナト」=「フナト」。「岐神は、邪悪なものが、部落の中に入ってくるな「来(ク)勿(ナ)」と禁止する意味によってクナドという。」とある。また、古事記のp69頭注には「また、道饗祭の祭神の一に『久那斗』がある、と。
また、次の万葉集の例を挙げる
万葉集於久とも於父ともする。つまり「オク」=「オフ」
日本書紀(p106)熊野クス日命熊野那智大社に主祭神の一つに「熊野夫須美大神」。つまり「クスビ」=「フスビ」
日本書紀(p106)熊野忍蹈(*フミ) 亦 熊野忍隅(クマ)humi=kuma つまり「フm」=「クm」
日本書紀・風土記など蛇をハハともカカともいう同語ならば源流はkha kha であろう。
上記を根拠として応用をしてみると:
古事記(p106)国忍富神布忍富鳥鳴海神(「国」と「布」が「クニ」{クヌ?}「フノ」{フナ?}で同語からの転化だとすると「ク」=「フ」)また、魏志倭人伝の「狗奴国」と関連するか?
それに関しては『三国史記』の新羅本紀198年(百済本紀も同様)に「狗壌」という地名がでてくる。「壌」は「ナ」と読まれうるので「狗壌」も「クナ」に近い音を表している可能性がある。
更に、「国内州 一云不耐、或云 尉那嵒城」という記事があり「不耐」を「ふない」と読むことも可能であり、「国内(こ?く?ない」は、「不耐(ふない)」とも言う、という記事が良く理解できる。
布忍神社今、ヌノセ神社というフヌシが原形か? そしてそれは、クヌシ神社→国主神社の意味?
(布波能母遅)久奴須奴布怒豆怒古事記の出雲系図に出てくる神名。同じ神なのだろうか。
*「蹈」を従来「ホミ」と読んでいるが「フミ」でも差し支えない。(参考:岩波古典文学大系日本書紀p247頭注16。「践み」を「ホミ」と読み頭注で「ホミはフミと同じ。uとoはしばしば交替することがある」としている。)

上記の語彙が服部四郎の言う「原琉球方言」ではkhの音を持っていた語彙かもしれない、という指摘と呼応するものではないか、と思います。


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