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25]
無題
姥目樫を除くこととし、当初の論は鵜(ウ)、鶉(ウズラ)、ウグイス、ウグイ、ウグイガラ、ウメ(梅)などのウ音が和語の褐色を表す言葉ではなかったかと考えたもので、その褐色の色を表すウ音とモンゴル語の褐色を表すkhuren(フレン)のkhu(フ)は同系の言葉であろうとするのが本旨でした。
そこで、この褐色を表すモンゴル語のkhuren(フレン)がアイヌ語とも対応するかとみてみると、高い確率で同系とみられる語彙がみつかりました。
道東の白糠町にある和天別川の河口付近の支流にフレナイ川がそれ。
フレは「赤い」で、ナイは「川」だとの説明があり、この川の名になぜ「フレ=赤い」の言葉がつけられているのかというと、この川の水には鉄分が多く、川底に赤茶色の色がみられることから、その「フレ=赤い」の言葉がついたのだろうとするものです。
赤茶色は褐色を意味することから、このアイヌ語の「フレ=赤い」とモンゴル語の褐色を表すkhuren(フレン)は相当に高い確率で同系の言葉だとみることができます。
このように、アイヌ語の言葉とモンゴル語の言葉に同系性のものがあるとすれば、和語のウ(鵜)などの褐色を表しているとみなすことができるウ音
が、モンゴル語の褐色を表すkhren(フレン)と同系である可能性は、かなり高いとみることができます。
清明 2020/11/05(Thu) 20:40
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Re:[23] 姥の訓読み
> 「をば」ならば上代の書物に出てくるが「うば」は見られない。「をば」「うば」は相互に音は近いし、意味もほぼ同じ、とすれば「をば」の発音が後に「うば」に揺れたという日本語内部の現象であった、とする方が自然だ、と考える。従って私の意見としては:ここの「う」をモンゴル語に求めるのは当たらない;です。
いろいろ考えてみましたが、ウバ(姥)の構成をウ+バ(婆)とみて、その語義を老女とした場合、ウ音の由来は「嫗(ウ)」である可能性が出てきます。
嫗は「おうな、ばば」の意味です。
この嫗をウ婆のウに当てますと、嫗婆(ウバ)の音になります。
そして、この嫗(ウ)は、慣用的に嫗(オウ)の発音も用いられるようですので、この嫗婆は(オバ)の発音ともなり得ます。
このようにみますと、ウバ、オバは漢語の嫗と婆の合成語であり、当初はこの嫗婆でもって姥も姨も表していたと考えることができます。
それが平安時代頃にウバ(姥)とオバ(姨)に分離したということではないでしょうか。
このように、ウ婆=嫗婆であるならば、このウ音は漢語由来ということになりますから、姥目樫のウ音がモンゴル語のkhuren(フレン)のkhu(フ)と同系であるとする線はなくなります。
まあ、このあたりでしょうね。^^
なお、鵜(ウ)や鶉(ウズラ)のウ音については、ウグイス、ウグイ、ウグイガラ、ウメ(梅)などの呼称においても同じであり、その語頭のウ音が褐色系の色を表す言葉であった可能性が考えられます。
ウグイス~ウメ(梅)のウ音が褐色に関連する色を表す言葉であったとする可能性について、もう少し論を張ってみたいと思います。
清明 2020/11/05(Thu) 16:27
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Re:[22] 姥の訓読み
「をば」ならば上代の書物に出てくるが「うば」は見られない。「をば」「うば」は相互に音は近いし、意味もほぼ同じ、とすれば「をば」の発音が後に「うば」に揺れたという日本語内部の現象であった、とする方が自然だ、と考える。従って私の意見としては:ここの「う」をモンゴル語に求めるのは当たらない;です。
大三元 2020/11/05(Thu) 06:28
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Re:[21] 姥の訓読み
> そして、このウバ(姥)の和訓がいつから文献にみられるかという点につきまして、現在、万葉集などに当たっているところです。
姥をウバと読む読み方は、平安時代中期の1001年頃に成立した枕草子の134段にみえる「姥捨山」にみられます。
この姥はチオモ、メノトなどの読みではないようです。
姥捨山の話はインド起源で、これに中国での親捨て話が加わっているそうです。奈良時代にもたらされたとされるようです。
この親を捨てる話には色々なバージョンがみられる、平安時代前期の951年頃に成立した大和物語では「姨捨山」と書かれていて、自分の親ではなく伯母とされているようです。
この親を山に捨てる話は奈良時代にもたらされて、そのバージョンによって姥、姨の字が用いられたと思われますから、奈良時代にはウバ(姥)の言葉はあったとみていいのではないでしょうか。
そして、このウバ(姥)、オバ(姨)ともに語尾はバ音となっています。
ですので、それぞれの構成はウ+バ、オ+バだと考えることが可能で、その語尾のバ音は漢語「婆」の呉音のバだと推測することができます。
婆の意味は、年老いた女性、妻、夫の母(姑)などです。
なお、乳母の例は万葉集12-2925にみえ、この万葉集の歌の乳母の場合は「於毛」と読んでいます。
清明 2020/11/04(Wed) 19:35
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21]
姥の訓読み
姥の字は日本書紀開化天皇の妃の姥津媛で用いられていて、この読みは「ハハ」だとする解説がみられます。
一方、漢和辞典(学研漢和大字典)では、婆の字の古訓は「ハハ」だとするものがあります。
としますと、姥(ハハ)も婆(ハハ)も、和語としてはどちらもハハでありますから、この古訓のハハの由来を知る必要が出てきます。
そこで、婆の漢音をみますと、呉音がバ、漢音がハ、唐音がホとなっています。
このことからしますと、婆をハハと読むのは漢音のハの畳語である可能性が出てきます。これを呉音で読むと婆はバでありますから、畳語ではババとなり、我々馴染みのババちゃんなどの呼称となります。
そうしますと、日本書紀の姥のハハの読みは、婆の漢音ハに由来するものであり、この姥を呉音で読むとバということになります。
したがいまして、姥をウバと読む読み方は呉音に由来するものであるとみることが可能になります。
先に、姥(ウバ)はウ+婆(バ)の構成であるとしましたが、上のことからその解釈は妥当であることが分かります。
そして、このウバ(姥)の和訓がいつから文献にみられるかという点につきまして、現在、万葉集などに当たっているところです。
見つけましたら、お知らせいたします。
清明 2020/11/04(Wed) 17:21
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20]
乳母
「うば」という語は少なくとも「時代別国語辞典 上代篇」には項立てされていません。何時頃から使われている語なんでしょうね。
大三元 2020/11/04(Wed) 05:26
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Re:[18] ノイズ
清明 2020/11/04(Wed) 02:04
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18]
Re:[17] ノイズ
返信、ありがとうございます。
> 「姥」を「ウバ」と読んで「ウ」を取り出して議論するのはためらわれます。
乳母と書いて、これは「チオモ」「ウバ」「メノト」などと読むようです。乳母の字は日本書紀神代紀彦火火出見の段にみられるそうで、読みはチオモとされています。この乳母をウバと読むこともあるようです。
またご指摘がありますように、日本書紀には石凝姥の字がみられ、この読みはイシコリドメですが、ドメ(トメ)はトベと同じで女性を指しているようです。
この女性を意味するトメの発音に日本書紀は姥の字を当てているわけですから、このケースでは姥の字はチオモの意味ではなく女性(トメ)を指すウバの意で用いているとするのがよいでしょう。
そこで、このウバ(姥)の発音の成り立ちとしては、ウ+バ(婆)の構成だとみたわけです。
で、なぜこの姥の字が樫の木の名として用いられたのかと考えたところ、姥目樫の目の字は、網目の目と同じで、ウバメガシの樹皮が網の目のように割れている形から採ったものだとみました。
そして、この樫の木を姥目樫と名付けた理由を考えてみますと、樫の木の樹皮の割れ目の形状が老女(姥)の顔の皺に似ているとみなしたということでしょう。
こうしたことからしますと、姥(ウバ)のバ音は、先に述べましたように「婆=老女」を表しているとすることができますから、では、ウバ(姥)の語頭のウは何を意味している発音なのかということなってきます。
そこで、このウ音は鵜(ウ)や鶉(ウズラ)の褐色系の毛色と同じウ音なのではないかとしました。
つまり、顔の皮膚の色が濃く褐色になっているのが老女の特徴であり、それがウ婆、即ち姥(ウバ)だというわけです。
清明 2020/11/04(Wed) 00:38
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Re:[16] ノイズ
> 初めての投稿。
いらっしゃいませ。
> まあ、「にほ」は首が短いから、魚呑み込んでも数量が少ないので、漁には使えんかも。鵜飼の水鳥はやはり鵜だろうね。
そうでしょうね、敢えて強弁を作れば「鵜のことをニホと云ったこともあったか」なんてことでしょうが、証明も出来そうもないし、出来たところで面白い展開になりそうも無い。
「姥」字は古事記には見られず、日本書紀では「石凝姥(イシコリドメ)」と「姥津(オケツ とか ハハツ)ヒメ」に使われてます。「姨」「姑」は「ヲハ(ヲバ)」と読まれ「伯母」の意味が主のようで老女も意味したかも。
「姥」を「ウバ」と読んで「ウ」を取り出して議論するのはためらわれます。
なお、現在ウバメガシはイマメガシとかウマメガシとかに発音が揺れているようですね。「時代別国語辞典 上代篇」には見当たりませんでした。今そのように呼ぶ樹木は以前からもあったのでしょうが、古く何と呼ばれていたのか判りませんでした。
大三元 2020/11/03(Tue) 21:18
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16]
Re:[12] ノイズ
> 鵜飼いが飼っていた鳥は実は「にほ」だった??????
初めての投稿。
鵜飼が飼っていた鳥は「にほ」だったか、と面白仮説が出ている。
まあ、「にほ」は首が短いから、魚呑み込んでも数量が少ないので、漁には使えんかも。鵜飼の水鳥はやはり鵜だろうね。
ところで、鵜の訓音はウで、このウはウズラ(鶉)のウと同じかも。
鵜と鶉に共通するのは体毛の色が鵜は黒褐色、鶉は赤褐色。
とすると、このウ音は褐色を表している可能性がある、とすることができる。
そこで、ウ音の入る姥目樫(ウバメガシ)を見ると、姥目樫の若葉は褐色だという。
で、姥(ウバ)の発音を分解してみるとウ+婆(バ)となり、婆さんにウ音を付けるとなぜ老婆の意味になるのかと考えると、婆さんは老化で顔の皮膚が艶を失って褐色になっているので、姥(うば)とは顔色が褐色に濃い老女という意味の言葉であることが考えられる。
そこで、褐色の若葉が目に付く樫の木に、褐色の顔色を表す姥の字を当てたのが姥目樫の名だとみなすことができる。
このようにみると、どうも鵜(ウ)のウ音は褐色の意を表している言葉であるようにみえる。
そこで、褐色の意を表すこのウ音の言葉を外国語に求めてみると、モンゴル語に行き当たる。
褐色
モンゴル語
khuren(フレン)=褐色
このモンゴル語の褐色を表すkhuren(フレン)の語頭のkhu(フ)音と日本語の褐色を表すウ音とはよく似ており、日本語の褐色を表すウ音とモンゴル語の褐色を表すkhuren(フレン)は、おそらく同系の言葉ではないだろうか。
まあ、思うに、こうしたことからして、日本語の鵜(ウ)の言葉には、このような褐色を表す語彙的な背景があるのではないだろうか。
清明 2020/11/03(Tue) 14:45
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