満足出来ないアイヌ語地名解

orig:2004/04/11
rev1:2006/02/15
rev2:2008/07/30 つぎねふ

地名の語源探索は面白い。思いついたものの裏付けに満足が行かないでゴミ箱に入れているものをメモしておく。
つぎねふ山城に掛かる枕詞。tuki-ne-p 小山・なる・所:名詞の所属形にneは付かないのではないか? むしろ「つぎねふ・考」が良いか・
四万十shum-an-to 石・ある・湖:該当する湖が不明。寺田寅彦の自称「こじつけ」もあるが、それ(こじつけ)以上のものではない。
ku-un-i:我・居る・所:そういう地名実例を知らない。コタン、モシリが普通。随書に「有軍尼一百二十人猶中國牧宰八十戸置一伊尼翼如今里長也十伊尼翼屬一軍尼」とあるのがku-un-i解のサポートにはなりそう。また「狗奴」との関連は?
富士huchi 姥:しばしばフチが火の意味だ、だから火山としての富士山に相応しいという説を見るが、それは間違い。火の神が姥だから、ape huchi kamuy 火・姥・神、からの誤解だろう。一番有名な富士山の西麓には阿倍川が流れている。そこで、ape と huchi の双方を観察できるので、富士はアイヌ語のフチが語源だ、というのに魅力もあるが、関東に5,6箇所(それ以上?)もある外の富士山周辺に ape に比定できるものがない。私には、上記のような憶測以上に論を進めることが出来ない。
火の姥に関連して「不知火」を考えたものを別途上げてある。
種子島tanne 長い:確かに長い島であり、魅力ある解ではあるものの、私にはこれ以上に進めない。
丹波tanpa こちら側:有馬の ar が向こう側、ということと合わせ技があるが、丹波はもと田庭と呼ばれていたということとの整合が欲しい。また、丹波は播磨、但馬、難波などと音構造が似通っており、それを視点に解を求めるべきではないか、と思っている
利根(川)to-ne 湖・である:まぁ、川幅が広く湖みたいな川、という意味を与えるのだろうが、利根川という呼称は万葉集14/3413/1に「刀祢河泊乃(とねがはの)」があり、その程度には古い。また、歌の内容から大川であったらしいことは伺える。一方、利根川の歴史によると、流路も変わっており、川幅が日本一というように雄大になったのは近世のようだ。説得力上げる方法が見つからない。
野野のの、の付く地名は数百ありそうだ。のの地名参照。アイヌ語でnonno=花、よいもの、母。日本語(幼児語)で仏さま。語の意味範囲としては共通部分があるやに見えるがアイヌ語地名の実例を挙げることができない。
おいおい追記のつもりです。

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