・・・頂いたメールから・・・その4 |
orig: 99/05/03
ひきつづき多数のメールを頂いております。ありがとう御座います。 99/01/01から99/04/06までに頂いたメールから、幾つか抜き出してご紹介します。お名前は匿しました。 |
私のコメントは、頂いたメールへの御返事とは異なる場合があります。このページをまとめている今(99/05/03)編集したり書いたりしているものがあります。 |
Y.Y.様から: 実は私は合唱をやっていまして、友人が持っていた合唱曲にヤイサマネナという言葉が入っているのを見つけました。アイヌ語という事は分かっているのですが、どんな意味なのか分かりません。宜しければ、教えて頂けないでしょうか。 |
中川裕著「アイヌ語千歳方言辞典」では、ヤイサマ:即興歌、とありまして、続けて、「yaysamanenaというような囃しの文句を入れて歌う歌で、その時折に心に思い浮かんだ言葉を即興的に歌うものであるが、それが他の人に聞き覚えられて語り伝えられたものも有る。ただ、囃しの文句を繰り返すだけでもよい。これに合わせて自由なスタイルで踊る踊りもある。」とあります。
強いて更に語義を追求してみますと(素人の解釈ですから、保証はできませんが、、、、)
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H.U.様から: 面白いホームページですね。力作です。まいっています。ところで,隼人の吠声についてかねがねどのようなものだろうと考えていますが,いまだわかりません。犬の鳴き声と言うのですが,ワンワンと言うものでもなし,また遠吠えのようなものでもないとは思うのですが。 インドネシア映画で現代映画ですが,このなかでそれらしき音声を土地の人々がやっているのをみたことがあり,また,篠田監督の「桜」のつく時代劇映画のなかで,検非違使が吠声を出しながら盗っ人を捉える場面がありましたが,どうも決め手にかけます。 多分,アイヌ人でもこの吠声によく似たのがあったように思うのですがどのようなものでしょうか。 |
確かに、具体的にどんな発声をしたのか、は面白い着眼点ですね。私は、岩波古典大系本の日本書紀上巻P175頭注あたりで満足しちゃってましたが、延喜隼人式、ってのがあるようですね、これも勉強せねばいけませんな。。。 根拠はありませんが、うぉーーーーーーん、といって遠吠えに近い印象を受けてきました。 アイヌに似た吠声があるか、、、それは寡聞にしてぞんじません。ただ、面白いのは、haw が「声」 hawe「聞いた話に感嘆したことを表す」 hawean 「言う」 haw-kor 「鳴く、声を出す (haw「声」kor「持つ」)などの語群が「ハヤト」の「ハヤ」とつながっていないか、という点です。 アイヌ人名にも、たしか、ハエクル、と伝えられている人があり(10世紀より新しい)これなら「泣く・人」となり、「吠える・人」でもよさそうです。 また、神武紀などにも出てくる「黒速」なんぞも、クル・ハエ<>ハエ・クルなんかと近そうで、大変に興味のあるところです。また、ごゆっくりご来館下さい。 |
S.M.様から: 「つきさかき・いつのみたま・あまさかる・むかひつ・ひめ」 を思い出すことがありましたので、報告します。 先日、赤穂に行ってきました。 赤穂の町から赤穂御崎をはさんで東側に、海の「まほろば」を自称する坂越(佐古志、さこし)という町があります。常に素通りしてきた町だったのですが、今回は 大避(おおさけ)神社(祭神 天照大神・大避大明神・他)と酒蔵、牡蠣の水揚場に行ってきました。(坂越の牡蠣は、広島をしのぐ播磨灘の美味です)大避神社に、瀬戸内三大船渡御のひとつがあります。(十月の第二日曜日) 猿田彦が先導する二隻の櫂船に続いて、五隻の神船(獅子船、楽船、御輿船、供奉船、歌船)が、同じく五隻の頭人船とともに、獅子を舞い、雅楽をかなで、舟歌をうたって、立ち入り禁止の島(生島)に海上渡御をおこない、夜になって帰ってきます。還幸には、船々に高提灯を点し、数十基のかがり火が焚かれる中をもどるようです。 「火の輝きと共に、灰の輝きと共に上がってくる女神」を思い出してしまいました。 追記・私は、最近、「くな」(狗奴、そのほか)をアイヌ語で解釈することに興味を持っています。 どのような意味が考えられるでしょうか? |
メール、嬉しく拝見しました。なんか、いろんな想像を掻き立てるお話ですね、その大避神社の件。(^_^) 坂越、には矢張り越すべき坂があるんでしょうねぇ、どっかに、(^_^)。 sak-kus (夏・越)、夏に越す/渡る(場所)、どこへ? 四国側へ? 川を東か西に? 神事では、10月に生島へ、って渡る、ってことですか。。。 生島足島、という対句もあり、立ち入り禁止(by宮内庁?)になっているとは、、、 その島のヒミツってのもありそうですねぇ。 P.S. 狗奴、ですねぇ。「クニ」が ku-un-i (われ・ある/属する・場所),つまり、我が住む場所、ではないか、という考えもあるんですが、地名には、あんまり「我 ku」を使わないので、私としては保留中です。あと、 kina 「草」 sikina (直訳は、大きな/ほんとの草、実際の意味は「蒲(がま)」:蒲郡市に「大草」(2個所)あり。豊川市に「長草」。蒲郡には「神ノ郷町」なんて処もあり、なんじゃろ、と思ってます。 ku= 弓、(also 我) アイヌ語で考えるんなら此処ら辺の語彙でしょうか、、、 |
A.O.様から: いろは歌のページを堪能させていただきました。ありがとうございました。私共では現代仮名遣いのものを募集しておりますが、歴史的仮名遣ひに今様歌形式の48音はやはりいいですね。是非リンクを貼らせていただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。 |
ご高覧並びにメール、ありがとう御座います。リンクの件、結構です、と申すよりも、よろしくお願いいたします。伯父貴にも(全部任されてはおりますが)報告しておきます。 |
K.N.様から: 中国語音における、'h' は、喉の奥を閉鎖することによって得られる摩擦音です。調音位置は、'k' とほぼ同じですので、khag kho khu khu と音写すべき音です。(または 'x', 'ch') 一方、古代音における「ハヒフヘホ」は、pa pi pu pe po と発音(気音を伴う)されていたと推定されています。(母音 i, e, o の甲乙の別も、あったと思われる。) 従って、上古における両者の発音は、喉の奥と口先という、調音位置の違いから、混同されることはなかったはずです。軽い気音の 'h' や、円唇摩擦音の 'f' (上古〜室町ハ行音)と北京官話ローマ字表記上の 'h' (国際標音文字では 'x' )を一緒にしては、学問的価値がなくなってしまいます。 全体として、非常に着眼点のよいホームページ群であるので、特に残念と思われる点について、指摘させていただきました。 |
御指摘を謝しつつ考えるところを述べました事を中心に「補論」を挙げましたのでご関心おありの方はご覧ください。 |
引き続きメールをお待ちしてますね。(^_^)