欠史時代再構築の試み8 |
スサノヲが邪心の無い事を証明せんと、天照大神とウケヒをする場面がある。記紀の伝える所、そのモチーフを整理してみる。 | |||
書紀本文 | 天眞名井 | 八坂瓊五百箇御統 | 御統:ミスマル:玉のこと |
書紀#1 | 天渟名井 別名 去来(イザ)之眞名井 | 五百箇御統瓊 |   |
書紀#2 | 天眞名井 | (瑞)八坂瓊曲玉 |   |
書紀#3 | 天安河 | 五百箇御統瓊 |   |
書紀後段 | 天安河・天渟名井 | 五百箇統瓊 | 潦 潦 乎(ぬなとももゆらに) |
古事記 | 天眞名井 | 八坂勾 潴 (たま)五百津美須麻流 | ヌナトモモユラニ(瓊の音も玲瓏に) |
上記に見るように「瓊(玉)」が共通のモチーフとなっていて、二例に於いては「渟名井」という「瓊(玉)の井」と思われる場面が述べられている。これらはこの説話の舞台がヌナカハ(今、新潟県の姫川。古代からの翡翠の中心的産地。)が似つかわしい。(岩波頭注では、この場面を天安河と見るのが穏やか、としている。)